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整数_約数_個数と総和の公式

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 約数

 個数と総和の公式

例題
  1. 72の約数の個数を求めなさい。
  2. 72の約数の総和を求めなさい。
  3. 600の約数の個数を求めなさい。
  4. 600の約数の総和を求めなさい。
  5. 72の約数を二乗した数の総和を求めなさい。
    まずはこう解け!
 
  1. 与えられた整数を素因数分解する。\(N=a^p \times b^q  \times c^r \dots \)
  2. 約数の個数の公式 「\((p+1)\times(q+1)\times(r+1)\dots \)」で計算する。
  3. 約数の個数の公式 「\((a^0+a^1\dots+a^p)\times(b^0+b^1\dots+b^q)\times(c^0+c^1\dots+c^r)\dots \)」で計算する。

——約数の個数の公式の説明——

例えば、36を素因数分解すると\(12=2^2 \times 3^2\)、12の約数は\(1,2,3,4,6,9,12,18,36\)

ここで約数の12というのは36の因数のうち2を2個、3を1個選んでかけ合わせた数

  同じように、9であれば2を0個、3を2個選んでかけ合わせた数、1であれば2も3も1つも選ばなかった数・・・というように考えることができる。

つまり、「因数を選んでかけ合わせれば約数ができる」ということで、そのすべての場合を求めるためには

  2の選び方が(0個,1個,2個)の3通り、3の選び方が(0個,1個,2個)の3通りあるので、ぜんぶで3通り×3通り=9通りになり、約数の個数も9個になる。

公式で、\(p+1\)のように+1があるのは、選び方を考えるときに「選ばない(0個選ぶ)」場合があるから。

——約数の総和の公式の説明——

約数の個数の説明のとおり、因数を選んでかけ合わせれば約数はできる。あとはそれをすべて足し合わせる方法を考えれば良い。

ここで\(N=a^2\times b^3\)である数を考える。これらの約数は次のように書き出すことができる。

\(b^{0}\) \(b^{1}\) \(b^{2}\) \(b^{3}\) 行の和
\(a^{0}\) \(a^{0} \times b^{0}\) \(a^{0} \times b^{1}\) \(a^{0} \times b^{2}\) \(a^{0} \times b^{3}\) \(a^{0}(b^0+b^1+b^2+b^3) \)
\(a^{1}\) \(a^{1} \times b^{0}\) \(a^{1} \times b^{1}\) \(a^{1} \times b^{2}\) \(a^{1} \times b^{3}\) \(a^{1}(b^0+b^1+b^2+b^3) \)
\(a^{2}\) \(a^{2} \times b^{0}\) \(a^{2} \times b^{1}\) \(a^{2} \times b^{2}\) \(a^{2} \times b^{3}\) \(a^{2}(b^0+b^1+b^2+b^3) \)

表の赤色の部分をすべて足し合わせれば良いが、まずは行の和を求める。同じ数のかけ算をくくりだすと表内の「行の和」のようになる。
   
例えば\(a^0\)の行であれば\(a^0 \times b^0+a^0 \times b^1+a^0 \times b^2+a^0 \times b^3=a^0(b^0+b^1+b^2+b^3)\)

次に行の和を足し合わせればすべての和になる。\((b^0+b^1+b^2+b^3)\)がすべてに共通な因数であることに注意するとこれらの和は
    \((a^0+a^1+a^2)(b^0+b^1+b^2+b^3)\)
これを公式化したのが総和の公式である。

ここで、\((a^0+a^1+a^2)\)は一番左の列の項目を足し合わせたもの、\((b^0+b^1+b^2+b^3)\)は一番上の項目を足し合わせたものなので、次の結論を得る。

   「表でかけ合わせる数の総和(積の総和)は、それぞれの項目を先に足してからかけ合わせた積に等しい。」
   
このイメージを持っていると約数の総和の公式を覚えやすい。

解答

  1. 72の約数の個数を求めなさい。
  2. 素因数分解すると

    \(72=2^3 \times 3^2 \)

    よって約数の個数は

    \((3+1) \times (2+1)=12 \)

    \(12個 \)

  3. 72の約数の総和を求めなさい。
  4. 素因数分解すると

    \(72=2^3 \times 3^2 \)

    よって約数の総和は

    \((2^0+2^1+2^2+2^3)(3^0+3^1+3^2) \)

    \(=(1+2+4+8)(1+3+9) \)

    \(=195 \)

    \(195 \)

  5. 600の約数の個数を求めなさい。
  6. 素因数分解すると

    \(600=2^3 \times 3 \times 5^2 \)

    よって約数の個数は

    \((3+1) \times (1+1) \times (2+1)=24 \)

    \(24個 \)

  7. 600の約数の総和を求めなさい。
  8. 素因数分解すると

    \(600=2^3 \times 3 \times 5^2 \)

    よって約数の総和は

    \((2^0+2^1+2^2+2^3)(3^0+3^1)(5^0+5^1+5^2) \)

    \(=(1+2+4+8)(1+3)(1+5+25) \)

    \(=1860 \)

    \(1860 \)

  9. 72の約数を二乗した数の総和を求めなさい。
  10. 約数の二乗の総和について考える。

    約数の和と同様に表で考えてみると、

    \((b^{0})^2\) \((b^{0})^1\) \((b^{0})^2\) \((b^{0})^3\) 行の和
    \((a^{0})^2\) \((a^{{0}} \times b^{{0}})^2\) \((a^{{1}} \times b^{{0}})^2\) \((a^{{2}} \times b^{{0}})^2\) \((a^{{3}} \times b^{{0}})^2\) \((a^{0})^2 \left\{ (b^0)^2+(b^1)^2+(b^2)^2+(b^3)^2 \right\} \)
    \((a^{1})^2\) \((a^{{0}} \times b^{{1}})^2\) \((a^{{1}} \times b^{{1}})^2\) \((a^{{2}} \times b^{{1}})^2\) \((a^{{3}} \times b^{{1}})^2\) \((a^{1})^2 \left\{ (b^0)^2+(b^1)^2+(b^2)^2+(b^3)^2 \right\} \)
    \((a^{2})^2\) \((a^{{0}} \times b^{{2}})^2\) \((a^{{1}} \times b^{{2}})^2\) \((a^{{2}} \times b^{{2}})^2\) \((a^{{3}} \times b^{{2}})^2\) \((a^{2})^2 \left\{ (b^0)^2+(b^1)^2+(b^2)^2+(b^3)^2 \right\} \)

    よって総和は、\( \left\{ (a^0)^2+(a^1)^2+(a^2)^2 \right\} \times \left\{ (b^0)^2+(b^1)^2+(b^2)^2+(b^3)^2 \right\} \)

    ※式で証明したが、約数の総和と同じように「表のたてとよこの掛け合わせの総和」なので同じように計算すれば良い。

    素因数分解すると

    \(72=2^3 \times 3^2 \)

    よって、約数の二乗の総和は、

    \(7735 \)

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