変換
\(n\)進法で表されているNを\( _{(n)}N \)で表すとき次の問いに答えなさい。
- \( _{(2)}101011 \)を\(10\)進法で表しなさい。
- \( _{(10)}1234 \)を\(5\)進法で表しなさい。
- ある数は5進数で表しても7進数で表しても2けたになり、その数の並びは逆になるという。この整数を10進法で求めなさい。
- \( _{(4)}12.2 \)を\(10\)進法で表しなさい。
- N進法は「位(くらい)の取り方の違い」として理解する。詳細は下に記載。
- 10進法からN進法への変換は連除法を利用する。
位取りを理解する。
小学校2年生までに学習した「位取り」をしっかり理解できているか試されます。
念のため10進法(日常で使っている数)で確認しましょう。
千の位 | 百の位 | 十の位 | 一の位 |
5 | 4 | 3 | 2 |
この数は当然「五千四百三十二」と読みます。一が2個、十が3個、百が4個、千が5個ある数です。
もう少し位の表し方を数学っぽくしてみると、
\(10^{3}\) | \(10^{2}\) | \(10^{1}\) | \(10^{0}\) |
5 | 4 | 3 | 2 |
となり、5432は\(2 \times 10^{0} + 3 \times 10^{1} + 4 \times 10^{2} + 5 \times 10^{3}\)と表せます。
整理すると、10進法では小さい方の位から、\(10^{0},10^{1},10^{2},10^{3},10^{4},\dots \)となり、
2進法では\(2^{0},2^{1},2^{2},2^{3},2^{4},\dots \)
3進法では\(3^{0},3^{1},3^{2},3^{3},3^{4},\dots \)
4進法では\(4^{0},4^{1},4^{2},4^{3},4^{4},\dots \)となります。
それでは2進法の\( _{(2)}1011 \)を見てみましょう。
\(2^{3}\) | \(2^{2}\) | \(2^{1}\) | \(2^{0}\) |
1 | 0 | 1 | 1 |
つまり\( _{(2)}1011 \)を10進法では\(1 \times 10^{0}+ 1 \times 10^{1} + 0 \times 10^{2} + 1 \times 2^{3} = _{(10)}11 \)となります。
N進法から10進法に直すときは、各位の表す数を理解していれば簡単です。
連除法によるN進法の変換
\( _{(10)}1000 \)を6進法に直すときに位取りを確認して大きい方から埋める方法もあります。
\(6^{4}\)=1296 | \(6^{3}\)=216 | \(6^{2}\)=36 | \(6^{1}\)=6 | \(6^{0}\)=1 |
A | B | C | D | E |
\(1000\)の中に\(1296\)は入らないので\(A=0\)。
\(1000\)の中に\(216\)は\(4\)つ入るので\(B=4\)。そして残りが\(1000-216 \times 4=136\)。
\(136\)の中に\(36\)は\(3\)つ入るので\(C=3\)。そして残りが\(136-36 \times 3=28\)。
\(28\)の中に\(6\)は\(4\)つ入るので\(D=4\)。そして残りが\(28-6 \times 4=4\)。つまり\(E=4\)。
よって、\( _{(10)}1000 = _{(6)}4344 \)
・・・まぁ、大変です。ですので通常は連除法を使います。
―――――――連除法―――――――
\( _{(10)}1000 \)を6進法に直します。
1000を連除法を用いて6で割っていきます。
\(
\begin{array}{r}
6)\underline{1000} \dots 4 \phantom{0} _{(a)} \\[-3pt]
6)\underline{\phantom{0}166} \dots 4 \phantom{0} _{(b)} \\[-3pt]
6)\underline{\phantom{00}27} \dots 3 \phantom{0} _{(c)} \\[-3pt]
\phantom{}4 \dots 4 \phantom{0} _{(d)} \\[-3pt]
\end{array}
\)
このとき余りを位の小さいほうからa→b→c→dの順に並べた数が答えになります。並べる順番についてよく注意してください。
位に合わせると、\(_{(6)}dcba\)の順です。
なぜこうなるかについて説明します。
上の問題で(a)の4は6で1回も割り切れていない数です。つまり6のかたまりには入らない\(6^{0}\)の位です。
同様に、(b)の4は6で1回は割れるが、2回は割れないその余りを表しているので、\(6^{1}\)の位です。
(c)の3は6で2回割れるが3回は割れないので、\(6^{2}\)の位、(d)の4は6で3回割れるが4回は割れないので\(6^{3}\)の位というわけです。
- \( _{(2)}101011 \)を\(10\)進法で表しなさい。
- \( _{(10)}1234 \)を\(5\)進法で表しなさい。
- ある数は5進数で表しても7進数で表しても2けたになり、その数の並びは逆になるという。この整数を10進法で求めなさい。
- \( _{(4)}12.2 \)を\(10\)進法で表しなさい。
位取りを理解していれば計算方法は明らかです。
\(_{(2)}101011=2^{0} \times1+2^{1} \times1+2^{2} \times0+2^{3} \times1+2^{4} \times0+2^{5} \times1=_{(10)}43 \)
\(_{(10)}43 \)
連除法で解きます。
\(
\begin{array}{r}
5)\underline{1234} \dots 4 \phantom{0} _{(a)} \\[-3pt]
5)\underline{\phantom{0}246} \dots 1 \phantom{0} _{(b)} \\[-3pt]
5)\underline{\phantom{00}49} \dots 4 \phantom{0} _{(c)} \\[-3pt]
5)\underline{\phantom{000}9} \dots 4 \phantom{0} _{(c)} \\[-3pt]
\phantom{}1 \dots 1 \phantom{0} _{(d)} \\[-3pt]
\end{array}
\)
よって、
\(_{(10)}14414 \)
5進数の各桁の数を大きい方から\(x\),\(y\)とすると、7進数の各桁の数を大きい方から\(y\),\(x\)となる。
\(5^{1}\) | \(5^{0}\) | \(7^{1}\) | \(7^{0}\) | |
\(x\) | \(y\) | \(y\) | \(x\) |
この関係を方程式で表すと、
\(5^{0} \times y+5^{1} \times x=7^{0} \times x+7^{1} \times y \)
\(y+5x=x+7y \)
\(6y=4x \)
\(y= \dfrac{2}{3}x \)
ここで、\(x\),\(y\)は5進法の桁を表すので\(0,1,2,3,4\)のいずれかであり、条件に当てはまるのは、
\( (x,y)=(3,2) \)
よって、求める数は、
\(_{(5)}32=_{(7)}23=_{(10)}17 \)
\({(10)}17 \)
N進法の小数第\(a\)位は、\(\dfrac{1}{N^a}(=N^{-a})\)の位になる。
例えば10進法の小数第2位は\(\dfrac{1}{10^2}=\dfrac{1}{100}\)の位であり、
4進法の小数第1位は\(\dfrac{1}{4^1}=\dfrac{1}{4}\)の位である。
\(_{(4)}12.5=4^{1} \times1+4^{0} \times2+ \dfrac{1}{4^1} \times2=_{(10)}6.5 \)
\({(10)}6.5 \)
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